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香港駐在員をそれぞれ務める足銀の伊藤孝雄氏(隔月第2火曜日)と
県の毛塚隆弘氏(毎月第4火曜日)による現地の状況や県内企業の動向などの「アジアの風」リポート

118 No.16: 販売に注力、競合が課題 ‐ 中国進出企業の変化 ‐
(平成30年2月6日)

ビジネス交流会で商談する参加企業
ビジネス交流会で商談する参加企業

 国内総生産(GDP)で世界ナンバー2の中国。とりわけその経済発展をけん引してきた香港・中国華南地区は、リーマンショック後にどのように変化してきたか。その香港・中国華南地区の日系進出企業の経営課題と足利銀行香港駐在員事務所の対応について紹介したい。
 「世界の工場」から「世界の市場」へのシフトが加速する中国で、香港・中国華南地区の進出企業の多くは、「生産拠点」から「生産および販売拠点」に変化してきているようだ。
 10年程前のリーマン・ショック前後では、進出企業にとって注目すべき経営課題は、人件費に次いで「中国独特の貿易制度への対応」であった。経済発展に伴い中国政府は、付加価値が低い産業の貿易規制を強めることで、進出企業の選別を始めた。対象となった企業は関税のコスト負担が増大し、結果として「低コスト生産」の継続性が不安視され始めた。事態を回避すべく、経営者らは最新の貿易制度に関する情報を収集し、対応策に追われた。日系金融機関の多くは最新の関連情報を収集し、貿易規制への具体的解決策を進出企業に提案することが重要な業務の一つであった。その後、生産コストが相対的に低く、日本から近い、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域への魅力が一層高まり、日系進出企業数が増大してきたことは容易に分かる。
 一方、その後中国で事業を継続する進出企業はどうか。規制を乗り越えた企業は、人口が14億人に迫る勢いの中国市場に注目し、「生産」だけでなく「中国国内での販売」に注力することで、業績を確保している。最近の経営課題としては、「企業同士の競合」が大きなウェイトとなってきている。新規取引先の開拓をする必要もあり、地元中国企業や日系進出企業との競合を課題にしているようだ。
 中国・香港に拠点を置く日本の地方銀行6行は、昨年12月に中国華南地区にある広東省深圳市でビジネス交流会を実施した。広東省や香港に進出する日系企業56社が参加し、企業同士の紹介・商談を行なった。
 当事務所では、当行取引先に対して、日本では接点を持ちにくい関西に本社を置く企業を紹介し、見積もり依頼といった具体的な商談の話を進めるなど、ビジネスマッチングを通じた新規取引先の紹介ができた。
 進出企業のニーズが「貿易制度への対応」から「企業同士の競合」に変化しつつある中、当事務所としては、企業ニーズを正確にとらえ、それにきめ細かく対応することで、進出企業の発展に貢献したいと考えている。

 


足利銀行香港駐在員事務所所長 松田大輔

 

 

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