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下野新聞寄稿 ~下野新聞に寄稿している「アジアの鼓動」を転載しています。~

102 第47回:異業種3人のコラボ

香港「焼肉グレート」で「大那」を勧める菊の里酒造の阿久津信社長=17日
香港「焼肉グレート」で「大那」を
勧める菊の里酒造の阿久津信社長=17日

 上環(しょんわん)は、香港がイギリスの植民地になった当初から開発された歴史ある地区だ。中でもハリウッドロードは最初に造られた通りの一つで、高層ビルが林立し、ビジネス街となりつつある現在も、乾燥海産物や漢方薬、骨董品を扱う店が立ち並ぶ。
 上環のハリウッドロードに「焼肉グレート」(宇都宮市)が開店して2年が過ぎたが、今も変わらず店内は毎日満席だ。最高級の和牛にこだわり、部位ごとに「片面だけ3秒間」とか「両面を5秒ずつ」など、一番美味しい焼き方を具体的に提示する津川勝治(つがわしょうじ)社長のスタイルが、グルメでうんちく好きな香港人富裕層に受けるのだろう。予約が取りにくいのが玉にきずではある。
 その「焼肉グレート」で17日、菊の里酒造(大田原市)の「大那」のテイスティングイベントが行われた。
 菊の里酒造は慶応2年(1866年)の創業だが、社長の阿久津信(あくつまこと)さんが酒蔵を継いだ時には自社銘柄もなく、大変厳しい状況だったそうだ。新たにブランドをつくろうと「大那」を商標登録し、製造を始めたのは2004年。資金不足に苦しみ、設備が整わない中、思うように生産も増えず、歴史ある著名な地酒がひしめく栃木県の中にあっては、地元でも選ばれない時期が続いた。しかし、09年、雑誌に紹介されたのをきっかけに東京で知名度が上がり、また、品質向上の努力も実って、10年には全国新酒鑑評会で初めての金賞を受賞した。
 阿久津社長は、主に那須五百万石を使用するなど、地元産にこだわる。「大那」は「大いなる那須の大地」という思いを込めて名付けたという。
 今では本県を代表する銘柄の一つに育った「大那」を香港で見出したのは、宇都宮市出身で香港シティスーパーの日本酒バイヤーをしている塩澤直人(しおざわなおと)さんだ。塩澤さんは、全国から日本酒を仕入れる立場だが、昨年1月の「とちぎ食と農の展示・商談会」に参加し、また、プライベートで帰省した際にも県内の酒蔵を訪ね歩いた。シティスーパーは店舗での販売のほか、高級飲食店に日本酒を卸しており、「焼肉グレート」も得意先の一つなのだ。今回の仕掛けも、もちろん塩澤さんだ。
 テイスティングはもちろん大好評だったが、何より嬉しいのはそれぞれの分野で活躍する3人の栃木県民によるコラボレーションが、この食の都で実現したことだ。これからも海外で元気に活躍する栃木県民が次々に出てきてくれることを願ってやまない。

 

間山憲一(まやま・けんいち) 1992年県庁入庁。経営支援課、国際課などを経て日本貿易振興機構(ジェトロ)に出向。4月から現職。宇都宮市出身・46歳

 

 

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