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下野新聞寄稿 ~下野新聞に寄稿している「アジアの鼓動」を転載しています。~

88 第33回:ベトナムの本県企業

技能実習生の送り出し機関ESUHAI(エスハイ)で学ぶ実習生たち=2015年11月
技能実習生の送り出し機関ESUHAI(エスハイ)
で学ぶ実習生たち=2015年11月

 ベトナムは人口約9200万人、面積約33万平方キロメートルと、日本よりやや小さい程度。成長著しい東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国の中でも、人口は3番目、面積は4番目と、潜在的な市場規模は大きい。しかし、フランスによる植民地支配から1975年に終結したベトナム戦争に至るまで戦火にもまれ続け、経済についてはようやく発展の途に就いたばかりだ。2014年の1人当たり名目国内総生産(GDP)は2,051ドルとASEANの中でもまだ7番目だが、その分、伸び代が大きいともいえる。
 こうした将来性に注目し、本県企業もベトナムに進出している。昨年11月、これらの企業を訪問させていただくことができた。
 医療機器、自動車などの精密部品メーカーTANOI(鹿沼市)は06年、ホーチミン近郊に100%出資の子会社シーベストを設立した。生産品目は絞っているものの、複雑な形状の部品を現地従業員が原材料の管理から切削、研磨、検品まで効率的にこなしていた。
 エマール(小山市)は住宅建材の設計や製造、各種製造請負、人材派遣などの事業を展開しており、05年に設立したエマールベトナムでは、主に日本で受注した設計図の製図作業を行っている。現地社員は難しいコンピューター利用設計システム(CAD)ソフトを自在に使いこなし黙々と作業しており、成績トップの社員は1ヶ月に900枚もの設計図を仕上げるそうだ。
 こうした高い技術力を育む要素の一つが、外国人技能実習制度だ。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、15年6月時点で日本に在留する実習生は約18万人。中国が53.0%と最大の送り出し国となっているが近年は減少傾向で、ベトナムが24.9%を占めるまでに急増している。
 実習生の送り出し機関の一つであるESUHAI(エスハイ)では、実習生はみな礼儀正しく規律正しく行動し、大きな声で「こんにちは!」とあいさつする。日本ではそうするものと教わっているそうで、わが身を振り返ると恥ずかしくなるほどだ。彼らは最大6ヶ月間、日本について学び、希望に胸をふくらませて来日するのだ。
 実習生を単なる安価な労働力と捉え、賃金未払いなどの違反を犯す受け入れ先も中にはあり、実習生が失踪する事例も発生していると聞いたことがある。一方で本県企業は、帰国後に貴重な即戦力として採用するなど、制度を有効に活用していることが今回の訪問で理解できた。日本でいい経験をして帰国した若者たちは将来日本との懸け橋になってくれるだろう。

 

 

間山憲一(まやま・けんいち) 1992年県庁入庁。経営支援課、国際課などを経て日本貿易振興機構(ジェトロ)に出向。4月から現職。宇都宮市出身・46歳

 

 

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