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下野新聞寄稿 〜下野新聞に寄稿している「県香港駐在員リポート」を転載しています。〜


20 中国からの個人旅行  自由化一年
―観光客急増、 往年の活気―

 香港政府観光局(HKTB)によると、今年上半期に香港を訪れた外国人は1,000万人を突破し、新型肺炎(SARS)に見舞われた前年同期比の68%増という高い伸びを示した。
 急増の最大の理由は、昨年7月以降、中国本土から香港への個人旅行が段階的に自由化されたことだ。この措置は、SARSで不況が深刻化した香港に配慮して中国政府が実施した支援策の一つだったが、効果は予想以上に大きく、香港経済は往年の活気を取り戻しつつある。
 HKTBの調査によると、中国人観光客の香港滞在時の平均消費額は、一回あたり6,180香港ドル(1香港ドル=約14円)。これに個人旅行者の延べ人数260万人を掛けると、総額は160億香港ドルに達し、中国人観光客が香港にもたらした経済効果の大きさがうかがえる。また失業率も、過去最悪だった昨年の8.7%から、今年4−6月期には7%を割り込むまで改善してきているが、これも観光関連業種の貢献が大きいと言われる。
 中国人観光客の急増は、香港のサービス産業を一変させた。街角には、中国の通貨である人民元でも買い物できることをPRするために、「人民元歓迎」という張り紙が目立つようになった。また中国人観光客と会話ができるように、中国語の標準語である北京語を学ぶ人も増え、従業員が北京語を話せることをPRする家電量販店も現れた。
 ちなみに昨年、香港を訪れた日本人は前年比38%減の86万7,000人にまで落ち込んだが、今年に入ってからも日本人観光客が戻ってきたという実感はあまりない。かつて香港の観光業界を支えていた日本人が、中国人に取って代わられたことを象徴するように、繁華街では日本語に代わって、北京語を耳にする機会がめっきり増えた。
 中国人観光客の香港への受け入れについては、当初、不法就労や治安の悪化を危ぐする声が少なくなかった。香港政府によると、昨年の犯罪発生件数は前年同期比17%増の8万8,000件だったが、合わせて中国人の逮捕者数も14%増となっている。そこで一連の自由化措置によって犯罪発生件数が増加したという指摘もあるが、香港経済に与えるプラス面がずっと大きいことから、不安視する声は力を失っている。
 こうした中国人観光客の急増のほか、中国との経済緊密化協定の締結などを通じて、今後の香港経済の浮沈は、急成長する中国が握っていくことは間違いない。
 しかしその一方で、香港では最近、2007年からの行政長官・立法会議員の直接選挙を求める民主派と、これに慎重な親中国派との対立が目立ち始めている。中国返還7周年にあたる7月1日には、民主派勢力による大規模なデモも行われた。
 香港政府が、中国に対して政治的な自立を図るとともに、経済的な依存関係をどう深めていくかについては、同様に「中国シフト」している日本にとっても、少し気になるところである。

 


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