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香港駐在員をそれぞれ務める足銀の伊藤孝雄氏(隔月第2火曜日)と
県の毛塚隆弘氏(毎月第4火曜日)による現地の状況や県内企業の動向などの「アジアの風」リポート

109 No.7: 中国でのビジネスリスクの高まりから分散投資に拍車
 - アセアンの魅力高まる -
(平成29年8月8日)

 中国への一極集中投資から、「チャイナ・プラスワン」として東南アジア諸国連合(ASEAN)への分散投資が始まってから久しいが、その投資先であるASEAN諸国の現状と、当事務所が行っている業務を紹介したいと思う。
 中国経済の成長鈍化、人件費や原材料費の高騰によるコスト上昇により、中国に進出している日系企業の経営上のリスクが高まった結果、中国への一極集投資から中国以外の地域へも分散投資を行う「チャイナ・プラスワン」の動きが、再び活発化してきている。
 また、ASEANの経済統合の進展による市場としての魅力の拡大や、国境を越えた生産ネットワークの強化により、ASEAN諸国自身の投資誘因力が高まっており、日系企業の間で投資先としてのASEAN諸国の魅力があらためて評価されていると言える。


  
 図表にもあるように、中国とASEAN 3ヵ国を単純に比較してみると、経済規模、日系企業の進出数など、中国が圧倒している。しかし、ここでまず注目してもらいたいのは、経済データの中の実質国内総生産(GDP)成長率と1人当たりGDPの金額である。確かに、中国のGDP成長率は6.9%と高い数字を示しているが、近年下がり続けているのが現状である。それに対し、ベトナム、インドネシアなどは安定して高いGDP成長率を維持しており、確実に経済規模が成長していることを意味している。逆に、1人当たりGDPの金額ではASEAN 3ヵ国は中国よりも低い数字となっており、これは1人当たりの所得が低く、労働コストが低いことを意味している。
 また、日系進出企業数を見ると、中国以外のASEAN 3ヵ国は前年比で増加しており、海外進出を考える日系企業にとってASEAN諸国の存在感が高まっていることがわかる。
 このようにアジア諸国に進出している地元企業を支援するために、当事務所では今年2月にベトナムのハノイ、6月には香港とタイのバンコクで、それぞれ製造業向けの商談会を開催(または共催)し、多くの地元企業に参加をいただいた。どの商談会でも地元企業同士や全国の企業とで、活発な商談が行われ、今後の取引拡大につながるイベントが開催できた。
 当事務所はこのように、当行のネットワークや現地のネットワークを活用し、香港や中国を中心にASEAN諸国で、引き続き商談会等を開催していきたいと思っている。

 

伊藤 孝雄(いとう たかお)
足利銀行香港駐在員事務所所長。
明治大卒。1993年足利銀行入行。三菱東京UFJ銀行香港支店、みずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)香港支店への出向、市場国際部などを経て、2015年4月から現職。とちぎ未来大使。47歳。栃木市出身。

 

 

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