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下野新聞寄稿 ~下野新聞に寄稿している「アジアの鼓動」を転載しています。~

91 第36回:香港の最大手旅行会社EGL

益子焼などを展示・販売するギャラリー「ワカ・アーティザンズ」
EGL創立30周年記念パーティー会場でゲストを迎えるとちまるくん=4月20日
 

 日本政府観光局(JNTO)によれば2015年の香港からの訪日客数は過去最多の152万4千人、対前年比64.6%増を記録した。人数では中国、韓国、台湾に次ぐ4番目、伸び率では中国に次ぐ2番目となった。16年に入っても1〜3月の累計で43万7千人、前年同期比39.3%増と全く衰えを見せていない。観光庁「訪日外国人消費動向調査(14年版)」によれば、個人旅行客の比率は75%、かつリピート率も高く、最も成熟した市場だ。
 香港の訪日団体旅行最大手のEGLツアーズは、団体旅行で3割のシェアがあるが、数字以上に香港市場の動向に影響力がある旅行会社だ。現在、香港からは15年に新たに就航した宮崎、広島、熊本を含め、11空港に直行便が飛んでおり、今年3月には岡山に8年ぶりに定期便が就航したほか、米子への新規就航の予定もある。これらの新規就航に大きく影響しているのがEGLの旅行商品なのである。EGLがチャーター便を運航してツアーを造成し、その地域の人気が上がったことで定期便の就航につながり、個人客も増えるのがここ数年の傾向だ。
 誰に対しても気さくで、「袁(えん)社長」ではなく「袁さん」と呼んで欲しいと常々本人がおっしゃるのであえてそう書くが、EGLは袁さんなど数人のツアーガイド仲間が集まって1986年に立ち上げた会社だ。初めは大手旅行社のツアーの日本側での手配やガイドが中心で自社商品の販売は94年からだが、翌95年、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件、空前の円高などで大手旅行社が訪日旅行から手を引く中、あえて訪日商品を扱い業績を伸ばした。2011年3月の東日本大震災の後にも、いち早く4月には訪日旅行を復活させ、袁さんが直接東北3県を訪問し義援金を届けた。袁さんは現在、17の県・市から観光大使を受嘱しており、これからもどんどん新しい人気ツアーを出していくだろう。
 ことし創立30周年を迎えたEGLは、4月20日に記念パーティーを開き、日本人730人を含む2千人近い人が出席した。ドレスコードは「華やかな仮装」ということで、肩書きに関係なく思い思いの格好で出席するのがEGL流だ。また、袁さんは開会あいさつの中で、在香港日本国総領事館の松田大使に熊本地震の被災者への義援金を託した。
 パーティーのオープニングでは、とちまるくんが2千人のゲストをお迎えした。直行便就航と知事出席の県以外はゆるキャラの出演を断る中で、特別にオファーをいただき、パーティーの場で栃木県を大いにPRできた。香港の訪日旅行市場は「西高東低」と言われている中、栃木県をPRすることで本県への観光誘客につなげていきたいと思う。

 

間山憲一(まやま・けんいち) 1992年県庁入庁。経営支援課、国際課などを経て日本貿易振興機構(ジェトロ)に出向。4月から現職。宇都宮市出身・46歳

 

 

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