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下野新聞寄稿 ~下野新聞に寄稿している「アジアの鼓動」を転載しています。~

90 第35回:香港の陶芸ギャラリー

益子焼などを展示・販売するギャラリー「ワカ・アーティザンズ」
益子焼などを展示・販売するギャラリー「ワカ・アーティザンズ」=2015年12月、香港
 

 香港といえば、林立する超高層ビル群や高級ブランドショップと、道路に突き出した広告看板、店頭にぶら下がる肉と漢方薬局などの古い街並みが隣り合って共存する混沌としたイメージだろうか。
 金融街セントラルの一角にある複合施設「PMQ」はそういった香港のイメージとは少し異なる。元警察宿舎を改装し、2014年6月にオープンしたこの施設には、デザイナーズショップやセレクトショップが多く入居し、日本のグッドデザイン賞作品を集めた「グッドデザインストア」も入居している。日本では古い建物を単に補修するのでなく、改修して新しい機能や価値を生み出す「リノベーション」が増えているが、香港ではまだ珍しく、注目のスポットだ。
 「ワカ・アーティザンズ」は、PMQで益子焼や笠間焼などの陶芸作品を展示・販売するギャラリーだ。オーナーのコスチュウスコ貴子(たかこ)さんはイギリスに長く住んでいたが、1年ほど前に香港に移住し、昨年7月、娘のレイチェルさんと一緒にワカ・アーティザンズをオープンした。
 ギャラリーがオープンして間もないある日、「もっと作品を充実させたいので益子の陶芸作家を紹介してほしい」との相談を受けた。残念ながら私自身は紹介できる作家がいなかったので、ギャラリー絆和(はんな)(宇都宮市)を経営するトーマスあす子さんに相談すると、快く彼女たちに同行して益子の作家を紹介してくれたのだ。
 新たな作家との出会いがあり、展示される作品も充実したが、さらにうれしいおまけが付いた。実はこの時、香港の映像クリエイターが同行して作家のインタビューを収録したのだが、そのインタビューをもとに制作したショートフィルム「ア・ウェイ・オブ・ライフ」が、作年12月、ロンドン・リフトオフ・フィルム・フェスティバルで最優秀ドキュメンタリー賞を受賞したのだ。なんと1300本もの応募の中から選ばれたというから驚きだ。制作したのは音楽を担当するエイドリアン・ローさんと、映像を担当するティアン・マクラウド・ジーさんの2人だ。彼らは別の作品でも、ミラノ博が後援する若手の芸術祭「スイッチ・オン・ユア・クリエイティビティ」の映像部門で昨年6月に第1位になっており、期待の若手コンビだ。
 作年12月にワカ・アーティザンズで「ア・ウェイ・オブ・ライフ」の受賞記念上映会が開かれた際には、外池酒造店(益子町)の日本酒、「燦爛(さんらん)」を提供させていただいた。陶芸作品を通して栃木・益子の文化を伝えてくれる貴重なギャラリーだ。末長く付き合っていきたい。

 

 

間山憲一(まやま・けんいち) 1992年県庁入庁。経営支援課、国際課などを経て日本貿易振興機構(ジェトロ)に出向。4月から現職。宇都宮市出身・46歳

 

 

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