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下野新聞寄稿 ~下野新聞に寄稿している「アジアの鼓動」を転載しています。~

89 第34回:タイ・テストマーケティング

撮影日:1月23日、タイ・バンコク。タイの消費者に商品の説明し、試食を勧める現地スタッフ
撮影日:1月23日、タイ・バンコク
タイの消費者に商品の説明し、
試食を勧める現地スタッフ

 

 県は1月21日~27日間、タイでテストマーケティングを行った。会場となったのはバンコクのショッピングモール「エムクオーティエ」内の高級スーパーで、日本をはじめ世界中から輸入された食材が並ぶ。
 県は東南アジアの販路開拓に向けて、2年前からシンガポールの展示会などに出展しているが、タイでは今回が初めてとなる。
 売り場には壮関(矢板市)、東京拉麺(らーめん)、大麦工房ロア(足利市)、あづま食品、スプランドールとらや(宇都宮市)、大田原ツーリズム(大田原市)、仙波糖化工業(真岡市)、とちぎ農産物マーケティング協会および外池酒造店(益子町)の9社・団体の食品28品目と化粧品7品目を並べ、試食やアンケートを行いながら販売した。
 タイ人に好評だったのはスプランドールとらやの「もちもちロール」や仙波糖化工業の「新しっとりどら焼き」「新ドームケーキ」などのスイーツ類だ。タイ料理は辛いものが多いが、デザートには甘いものを食べる習慣があるため、違和感がないのだろう。東京拉麺は16食入りの「お徳用ラーメン」を中心によく売れた。東京拉麺の製品はお湯を入れてちょうどいい味付けがしてあるため、そのまま食べると塩辛く感じる人も多いと思うが、タイ人は濃い味付けを好むようで、そのまま食べる方を好む人が多かった。壮関の「からしれんこんチップス」もピリ辛好みのタイ人の口に合ったようだ。
 反対に多くのタイ人が苦手だったのが納豆だ。中国、台湾など中華圏では日本の納豆は健康に良いとしてとても人気だが、タイ人のほとんどの人が苦手なのだという。ただし、バンコクには約3万人の日本人が住んでいることもあって、高級スーパーでは納豆を扱っており、日本人や日本人と結婚しているタイ人には、原料の大豆にこだわるあづま食品の納豆は好評だった。
 外池酒造店が出品したハンドクリームやコメ油を原料に使った「蔵元美人」シリーズなどの化粧品は、既にタイのマツモトキヨシで販売されている。甘い香りが好みのようで、「とちおとめハンドクリーム」が好評だった。
 国際通貨基金(IMF)によれば、タイの2015年の一人当たり国内総生産(GDP)は5426米ドルと、日本(3万2481米ドル)の6分の1に過ぎず、購買力ではまだまだ香港やシンガポールには及ばない。物価も安いので、日本からの輸入品は割高に見える。しかし日本に親近感を持ち、日本食が好きという人は多いので、今後の成長とともに購買層は広がっていくだろう。今回のテストマーケティングの結果を踏まえながら、少しずつ種をまいて育てていきたい市場だ。

 

 

間山憲一(まやま・けんいち) 1992年県庁入庁。経営支援課、国際課などを経て日本貿易振興機構(ジェトロ)に出向。4月から現職。宇都宮市出身・46歳

 

 

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