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下野新聞寄稿 ~下野新聞に寄稿している「アジアの鼓動」を転載しています。~

82 第27回:焼肉伊呂波

栃本県出身で焼肉伊呂波本店支配人を務めている黒川氏
栃本県出身で焼肉伊呂波本店支配人を
務めている黒川氏

 2014年の香港の統計では日本食レストランが1270店あるという。懐石をはじめ、すし、鉄板焼き、ラーメン、カレー、うどん、トンカツなど食べられないものはないと言っていい。「日式焼肉」も香港で人気の日本食の一つだ。和牛の食べ方にもいろいろあるが、香港では圧倒的に焼肉だ。
 「焼肉伊呂波(いろは)」は、日式焼肉店の草分け的な高級レストランだ。オーナーの齋藤昌吉(さいとうまさよし)氏は新潟県出身、東京で和食店の経営をしていた。香港に渡ってからは日本食を紹介する香港のテレビ番組にレギュラー出演していたこともあり、和食の普及に大きく貢献した一人だ。「香港日本人倶楽部」の総料理長をされていたときは、いち早く県産米「なすひかり」を採用してくれた。
 伊呂波を焼肉店にしたのは、香港人はあまり酒を飲まないので、食事中心の店にしようと考えたからだそうだ。06年の開店当時、韓国焼肉店が既に70店ほどあり、値段が高い日本の焼肉は難しいのではと周囲に心配されたが、刺身や天ぷらも提供することで次第に「日本食の店」として認知されていったという。高級感のある落ち着いた店でカップルや女性グループの利用も多い。
 伊呂波の評判とともに香港の日式焼肉店は増え、今では40〜50店はあるだろう。和牛の輸出先として13、14年と連続1位になった香港だが、香港の輸入統計を見ると、和牛の輸入が本格的に始まった07年の30トン弱から、14年には335トンと10倍以上に伸びており、焼肉店の増加と輸入量の増加がリンクしているように見える。
 伊呂波は現在2店舗だが、本店の支配人、黒川孝広(くろかわたかひろ)氏は宇都宮市の出身だ。黒川氏は東京の飲食店で働いていたときに齋藤氏と出会い、伊呂波開店の翌07年に香港に誘われ、以来、ずっと店を任されている。
 本県産品では「米山そば」(鹿沼市)、「天鷹」(大田原市)を常時扱っており、多くの日本食店が銘柄米をやめて低価格の米に切り替える中、「おいしいから」と「なすひかり」を使い続けてくれている。店内には本県ゆかりの物を数多く展示し、とちぎ和牛フェアなどのイベントにも快く協力してくれる。こうした計らいには黒川氏の存在が大きい。
 齋藤氏に今後の課題を尋ねたところ、香港で社会問題となっている家賃や人件費の高騰ではなく、「いかに日本食の良さを香港人に伝えられるか」とおっしゃったのが印象的だ。これからも大切に付き合っていきたいものだ。

 

間山憲一(まやま・けんいち) 1992年県庁入庁。経営支援課、国際課などを経て日本貿易振興機構(ジェトロ)に出向。4月から現職。宇都宮市出身・46歳

 

 

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