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下野新聞寄稿 ~下野新聞に寄稿している「アジアの鼓動」を転載しています。~

76 第21回:中国・大連

大連中村精密部件工業有限公司で総経理の中村揚弘(なかむらあきひろ)氏と筆者
大連中村精密部件工業有限公司で総経理の中村揚弘(なかむらあきひろ)氏と筆者

 中国・大連市は遼東半島の先端にある遼寧省第二の都市だ。本県面積の約二倍の1万2574平方キロメートルに、本県人口の約3倍の591万人が住む。中国が改革開放路線にかじを切って最初に指定した経済技術開発区があり、日系企業の進出が多い地域である。また、2014年6月には、この大連開発区を含む大連金普新区が中国10番目の「国家級新区」として国務院に承認され、今後の発展がさらに期待される都市だ。
 1月15日、華北地域栃木県企業人会の開催を兼ねて、大連金普新区にある大連中村精密部件工業有限公司を訪問した。同社は中村製作所(那須烏山市)が100%出資する現地法人で、1994年9月設立、96年3月操業開始と約20年の歴史を持つ。自動車業界向けの品質マネジメントシステム規格を本社に先駆けて取得し、中国ではまだ少ない金属の焼き入れ加工もできる、ターボチャージャー部品やブレーキ部品など、特に精密さと耐久性が要求される自動車部品を得意とする。日本への輸出のほか、中国国内での取引やタイへの輸出が多く、北米やメキシコ、英国にも輸出している。
 社員数は操業開始の71人から751人と10倍になったが、驚いたのは、日本人は総経理(社長)の中村揚弘(なかむらあきひろ)氏だけで、工場長をはじめ管理職は全て中国人、しかもほとんど操業当初から残っている人なのだという。従業員の定着率が悪いと言われる中国で、大連中村の家族的な経営が受け入れられているのだ。中村総経理の会社説明の中でも、社員旅行や社内パーティーの写真が多く入っていたことが印象的で、従業員を大切にしている様子がうかがわれた。一方で中村氏は05年から10年間も駐在しているそうだ。いろいろと不自由の多い中国本土での仕事はご苦労も多いだろうとお察しする。
 最近では人件費高騰のため、中国で製造する魅力がなくなってきているといわれるが、中国人は定着しさえすれば真面目に働く気質があり、長年培われた生産技術やサプライチェーンでは東南アジアに対してまだ一日の長がある。とはいっても、取引が増えているタイでの迅速な製品供給のため、新工場の設立も準備しているそうだ。うれしかったのは、中村氏がタイのコンサルタントを探していたところ、私の前任の渡邊邦彦駐在員から、本県出身でタイで「バンコク週報」を出版している臼井秀利氏を紹介され、無事、新工場を立ち上げられそうだというお話をうかがえたことである。そうした人のつながりから新しいビジネスが生まれるということは大変喜ばしいことだ。

 

間山憲一(まやま・けんいち) 1992年県庁入庁。経営支援課、国際課などを経て日本貿易振興機構(ジェトロ)に出向。4月から現職。宇都宮市出身・46歳

 

 

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