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下野新聞寄稿 ~下野新聞に寄稿している「アジアの鼓動」を転載しています。~

68 第13回:スーパーの日本食品

高級食材を求める人で賑わう
シティスーパー・コーズウェイベイ店は
高級食材を求める人で賑わう

 食の都香港は、さまざまな食材であふれる。伝統的な露店「街市(ガイシー)」では、店頭にぶら下げた生肉をその場でそいでもらい買うことができる。生肉を素手で触って確かめながら買う人もいて日本人にはハードルが高いが、欲しい部位を好きなだけ安く買えるとあってよく利用されている。野菜や果物も山のように積み上げて売られている。
 スーパーも多い。庶民向けでは「ウェルカム」と「パークンショップ」がいずれも200を超える店舗を展開しており、香港では最もよく見掛ける。高級スーパーではウェルカム系列の「スリーシックスティ」「オリバーズ」「ジェイソンズマーケットプレイス」、パークンショップ系列の「グレイト」「テイスト」があり、日本食品、米国や欧州の高級食品が並ぶ。
 ハイセンスな陳列と魅力ある品ぞろえで独自の地位を築いているのが「シティスーパー」だ。1996年の西武の撤退時に当時の社員が立ち上げ、香港最大の繁華街コーズウェイベイ、多くの買い物客や観光客が訪れるチムシャーチョイなど4カ所に出店する。
 「YATA」は新興住宅地を中心に6店舗を展開する総合スーパーだ。「モダンな日本のライフスタイル」をコンセプトに掲げ、店名は日本語の「やった!」に由来する。
 日系では「イオン」と「アピタ」がある。日本食品も多いが、他の高級スーパー同様、世界中の食品が棚に並ぶ。また現在は香港資本だが、唯一の百貨店「そごう」の地下食品売り場にも世界中の高級食材が並ぶ。
 最近の注目は、日本食品が中心のミニスーパー「759阿信屋(おしんや)」だ。「759」は株式コード、「阿信」は朝ドラの「おしん」から取っている。2010年に1号店が開店し、現在185店と急速に店舗数を伸ばす。
 日本食品が浸透している香港だが課題は価格だ。多くの高級食材が売られていても、圧倒的な数量を供給しているのは安価な中国産、米国や豪州からも安価な食品が輸入されている。それらに価格のみで勝つことは困難だが、日本の品質は信頼されており、「すごく」高いから「少し」高いにできれば、これまで以上に選んでもらえるだろう。
 同じ日本でも西日本、特に九州は輸送コストと時間で有利だ。本県の食品を積極的に選んでもらうには、いかにひと味違う提案をし、特徴を理解してもらえるかが鍵となる。あるスーパーのエンド(目玉商品を陳列する、棚の端のスペース)に並ぶ壮関(矢板市)の商品を見てそんなことを思った。

 

間山憲一(まやま・けんいち) 1992年県庁入庁。経営支援課、国際課などを経て日本貿易振興機構(ジェトロ)に出向。4月から現職。宇都宮市出身・46歳

 

 

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