戻る

下野新聞寄稿 〜下野新聞に寄稿している「アジアの鼓動」を転載しています。〜

59 第4回:香港フードエキスポ


8月15日から17日まで開催された
香港FOOD EXPO 2013。 63カ国・地域
から19,668人のバイヤーが訪れた。

 8月15日から17日にかけて、香港貿易発展局主催の食品見本市、「フード・エキスポ 2013」が香港コンベンション&エキシビジョン・センターで開催された。本県からは壮関、フタバ食品、島崎酒造、とちぎ農産物マーケティング協会、とちぎ良品エキスポートプロジェクト(TREP)の5企業・団体が出展し、海外販路拡大のためバイヤーへのアピールを行った。当見本市には本県としては4回目の出展であり、日本貿易振興機構(ジェトロ)が運営するジャパンパビリオン内での出展は3年連続である。
 準備を行った開催前日の14日、香港に大型の台風11号(ウトア)が接近し、「シグナル8」という台風警報が発令される状態となった。こうなると香港では、飛行機の離発着はもとより、トラックの物流も含めてすべての機能がストップする。このため、日本からの出張者や、資材や商談のためのサンプルの到着が大幅に遅れ、準備に大きな支障が出る事態となった。開催当日の朝の到着を余儀なくされた企業もあり、旅の疲れも取れぬままに大急ぎで準備を整えることとなった。
 その後、台風は大きな被害をもたらすことなく通過し、本県の出展者も何とか準備を間に合わせ、無事、見本市が開催された。
 栃木県ブースではとちぎ和牛や米、中華まんじゅうやアイスクリーム、わかめや野菜を用いた加工食品、日本酒、カクテル、調味料など、各企業がえりすぐりの商品を出展し、ブースに立ち寄る香港バイヤー等の関心を引き付けていた。今回の出展企業はみな初めてではなかったため、来場者に対し試食アンケートを行ったり、いわゆる「萌え系」ラベルの商品で新し物好きの香港人の興味を引くなど、それぞれマーケティングに工夫をこらしていたのが印象的であった。
 また、国際都市香港では来場者は香港企業に限らず、中国や欧米の企業のバイヤーとの商談もある。中にはインド企業の方からみそを使いたいという話もあり、日本食材のブランド価値が国際的に確立していることを実感した一幕であった。
 香港では、年々高騰する従業員の人件費と不動産賃借料が小売店や飲食店の収益を圧迫し、コスト意識がますますシビアになっている。以前のように「高品質、高価格」のみでは商談に結び付けることは難しくなりつつあり、日本の自治体同士で産地間競争が行われていることもあって、本県産品を扱う現地商社からは「バイヤーから値下げを要求されることも多く、商売として厳しい」という声も上がっている。今後、さらに輸出を増やしていくためには、例えば業務向けには大きいボトルや袋を使って単価を下げるなどの工夫を行い、見本市や商談会で提案していくことも必要となるであろう。

渡邉邦彦(わたなべ・くにひこ) 2004年県庁入庁。都市計画課、国際課、日本貿易振興機構(ジェトロ)を経て11年4月から現職。横浜市出身。34歳。

 

 

戻る

© Tochigi Prefectural Government Hong Kong Office. All rights reserved.