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下野新聞寄稿 〜下野新聞に寄稿している「県香港駐在員リポート」を転載しています。〜


38 県内経済団体の市場調査
−「知名度」の重要性も実感−

 1月16日から21日までの6日間、県海外経済交流協議会が、香港・台湾への食品関係の市場調査ミッションを実施した。今回は県が企画し、協議会が主催するという、まさに官民一体のミッションとなった。
 一行は、日本からの長旅の疲れも見せずに、初日から積極的に行動し、当駐在員事務所が入所している日本貿易振興機構(ジェトロ)香港センターで、香港での日本食市場の動向を把握するための講演を受け、情報収集に努めた。
 団長で日光ゆば製造の新妻社長は、香港・台湾で「生ゆば」と「人工フカヒレ」の販路拡大を目指している。新妻社長は夕食に出された食材についても早速チェックをしていた。その中に「フカヒレ」があったが、新妻社長はフカヒレの一筋をつまんで、「このフカヒレには一部人工のフカヒレが使われているよ」とおっしゃった。私が驚いているのを尻目に「フカヒレは原料となるサメが年々減少して品薄状態にあり、どんどん高価になっている。今後人工フカヒレの需要が必ずある」と熱っぽく話されていた。
 事実、翌日訪問した日系貿易会社での商談で、担当者の方が人工フカヒレに興味を持ってくれたようで、見積書作成の依頼があったのである。
翌17日には、県農産物のナシ「にっこり」を販売している高級スーパー「シティスーパー」の日本食担当バイヤーから、「にっこり」の販売状況や評判を聞いた。
 2シーズン目に入り、「大きい・甘い・ジューシー」の三拍子そろった「にっこり」は、購買者に定番化しつつあるとのことだった。今後もこの高品質を守っていけば、香港でこの時期、ナシといえば「にっこり」と言われる日もそう遠くないことを確信した。
 18日から台湾に移動したが、香港とはまた違った結果になった。香港には「とちぎ農産物マーケティング協会」などの主導で「にっこり」を輸出しているが、台湾ではまだ輸出実績のないはずの「にっこり」が、東京大田市場経由で入っていることが判明した。現に台北市内にある太平洋崇光百貨に食料品視察に行った際、「にっこり」を見掛けた。
 しかし、愛宕ナシなどを品種改良し、高品種であるはずの「にっこり」が、日本から輸入されている愛宕ナシより安い値段で売られていたのを見た一行は、ショックを受けたようだった。理由は至極単純である。「知名度がない」からだ。いくら高品質なものを輸出したとしても、購買者に認知されていなければ、手に取ってもくれないということを思い知らされた。
 時を同じくして太平洋崇光百貨前の広場で、鳥取県が片山知事を先頭に「二十世紀ナシ」のプロモーションを大々的に行っていた。それを見た一行は、新たな地での販促は、県を挙げて取り組んでいかなければならないことを痛切したようだった。

 

 

 

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