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下野新聞寄稿 〜下野新聞に寄稿している「県香港駐在員リポート」を転載しています。〜


26 進出成功事例B富士和機械工業
―台湾企業との連携 強みに―

 困難が多いといわれる日本企業の中国進出を円滑にする方法として、台湾企業との提携を挙げる人が少なくない。台湾人であれば中国語での意思疎通が可能で、中国文化を理解しやすい一方で、日本企業との長年の付き合いから、日本のビジネス習慣も熟知しているというのである。
 投資環境調査団が江蘇省昆山市で訪問した栃木富士産業(栃木市)の中国法人、富士和機械工業(昆山)有限公司も台湾企業との合弁会社である。
 1995年に台湾の六和機械股[イ分]有限公司から4割の出資を得て設立された富士和機械工業は、1997年にわずか642万元(一人民元約13円)だった自動車部品の売上高を、昨年には4億8,000万人民元にまで伸ばしており、私たちが訪れた際には、工場建屋の増設に取り掛かっていた。
 富士和機械工業が中国進出に成功した理由として、パートナーの六和機械の存在がある。機械加工に強みがある栃木富士産業と、鋳造を得意とする六和機械との補完関係が相乗効果を上げただけではなく、現地での労務管理や地方政府との折衝など、日本人では完全に対応しきれない分野について、六和機械の台湾人スタッフから適切なアドバイスを受けることができたという。
 また台湾人スタッフは、日本の厳格な生産管理や品質管理について良く理解していたことから、日本同様のスムーズな生産活動が可能になったほか、六和機械の購買力を生かし、主に粗加工や中仕上げの段階で台湾製の工作機械を導入したことで、一層のコスト削減も実現できたという。
 中国は現在、高度経済成長を背景に、「世界の工場」としてだけでなく、「世界の市場」としても注目されるようになっている。しかし日本企業が中国国内で販路を拡大するためには、代金回収や模倣品への対応、そして市場ニーズの把握といった課題が山積している。
 こうした新たな課題を乗り越えるためにも、台湾企業は大いに力になってくれるはずである。ちなみに富士和機械工業はこうした面でも、栃木富士産業と六和機械が力を合わせた結果、既に製品の76%余りを内販しているという成果を上げている。
 もちろん台湾企業と提携さえすればすべてが順調にいくというわけではない。しかし中国進出に当たっては、こうした富士和機械工業の成功例のように、現地の中国企業ではなく、台湾企業をパートナーにするという選択肢もあることを、今後、県内にも紹介していきたいと思った。


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