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下野新聞寄稿 〜下野新聞に寄稿している「県香港駐在員リポート」を転載しています。〜


24 進出成功事例@岩下栄祺食品(杭州)有限公司
―人件費抑え付加価値追求―

 県と県海外経済交流協議会は県内企業や経済団体から参加者を募り、昨年11月2日から6日まで、中国華東地域に投資環境調査団を派遣した。
 調査団は、中国進出に成功している県内企業3社の現地法人や進出先の経済開発区の管理委員会、日本貿易振興機構(ジェトロ)上海センターなどを訪問した。そこで今回から3回にわたり、本県企業の進出成功例を紹介したい。
 「安い人件費を最大限活用することで、より付加価値の高い製品をつくろうと心掛けています」。
 漬物メーカー、岩下食品(栃木市)の名誉会長で、岩下栄祺食品(杭州)有限公司の董事長を務める岩下邦夫さんは調査団にこう語った。
 岩下食品は2002年3月、中国国内で3つ目の現地法人を浙江省杭州市に設立した。新商品で高付加価値の「べったら漬」や「ぴり辛きゅうり」の半製品を製造し、日本に輸出している。
 岩下さんによると、日本では手作業で1回だけだった大根の洗浄と漬込みを、人件費の安い中国では丁寧に4回できるようになった。その結果、大根が軟らかくなり、これまで出せなかった独特の風味が出てきたことで、味わい深い漬物ができるようになったという。
 これまで日本企業の「中国シフト」の最大の理由は、安い人件費の利用によるコストダウンにあった。
安い人件費を使って安価な製品をつくることは、困難なことではない。そこで日本の同業他社に加えて、「より安くつくる」ノウハウを有する香港や台湾系企業が続々と参入し、苦労して中国進出したものの、思ったほど利益が出ないと嘆く日系企業は少なくない。
 岩下さんによると、日本人の舌は、最近、一層肥えてきており、量が少なくても、また少しばかり値が張ったとしても、おいしい漬物が食べたいと思っているという。そうしたニーズを的確に把握したうえで、中国での生産を強化していきたいと述べていた。
 岩下栄祺食品では、原材料となる野菜はすべて現地調達している。中国産野菜には残留農薬の危険性が指摘されているが、岩下栄祺食品の場合、契約農家から調達するという強みを生かし、厳密な土壌検査をはじめとするトレーサビリティ(履歴管理)を徹底しているという。岩下さんは、むしろ日本産より安全な野菜を調達できていると言う。
 私にはこれまで、「付加価値の低い製品は中国で、高い製品は日本国内で」という意識が漠然としてあった。しかし岩下栄祺食品への訪問を通じてそうした意識は完全に吹き飛んだ。そして中国の投資環境を余すところなく利用することが、中国進出に成功するために欠かせないと痛感した。


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