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下野新聞寄稿 〜下野新聞に寄稿している「県香港駐在員リポート」を転載しています。〜


11 世界の「模倣品工場」
―悪質、より巧妙化する製造―

 日本貿易振興機構(ジェトロ)北京センターには、「日系企業ニセモノ展示館」というコーナーが設置されている。約40平方bのスペースに、オートバイや家電製品のほか、キャラクターグッズや乾電池に至るまで、150点もの日本製品の模倣品が陳列されている。
 「世界の工場」と言われる中国は、世界最大の「模倣品工場」でもある。そして日本企業の被害は、「ニセモノ展示館」の展示内容どおり、広範囲に及んでいる。
 昨年末に在中国日本商工会議所とジェトロ北京センターが行った調査によると、回答企業の54.3%が知的財産権に対して何らかの被害を受けていると回答し、また、模倣品の被害額が1億円以上と答えた企業は、その29.6%に上っている。
 中国における模倣品の広がりは、日本をはじめとする外国企業の利益を損ねるだけでなく、中国の消費者をも欺く行為であり、一刻も早く浄化されるべきである。
 昨年12月には、日本の産業界と政府が一体となり、北京市、浙江省、広東省へミッションを派遣して模倣品の根絶を強く訴えてきた。またジェトロも、日本、中国両国の各地で模倣品対策セミナーを開催し、日本人だけではなく中国人みずからの意識改革に全力を挙げているところである。しかし中国における模倣品づくりは、最近、より巧妙化してきている。そして、「こっそり製造する」という模倣品づくりのおきてを破って、「ペーパーカンパニーを作って堂々と製造する」という悪質な事件も発生している。
 2000年末に発覚した「日本ヤマハ事件」では、中国の二輪車メーカーが、日本で「日本雅馬哈(ヤマハ)」という実態のない会社を設立し、その会社から商号の使用を許可してもらったとして、日本のヤマハ発動機そっくりのオートバイに「日本YAMAHA」を付して製造していた。その後も、これに類似する日系企業の被害事件は続発している。
 中国の急激な市場経済化は、多数の私営企業を生み出すとともに、し烈な競争を引き起こした。そうした中、明日倒産しないための一番の近道はコピー製造なのだという。また地方政府が地元企業の利益を優先する「地方保護主義」が取り締まりの障害になっているという声も強い。
 しかし中国の「模倣品天国」ともいうべき状況は、今や中国投資のリスク要因の一つに数えられている。ある県内企業の経営者も、巨大な中国市場には魅力を感じると述べる一方で、自社製品の模倣品が出回ってしまうのでは元も子もないという、率直な不安も口にしていた。
 ジェトロ北京センターの川島泰介さんは、日本の高度成長期に数十社あった二輪車メーカーが、現在では4社になってしまった例を引き合いに、中国企業が一層の飛躍を期すためには、今こそ自前で技術を磨かなくてはいけないと説いている。
 WTO(世界貿易機関)にも加盟した中国がこの模倣品問題をどう解決するかは、経済先進国入りの大きな試金石となるはずであり、今後もその推移を注目していきたい。

 


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