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下野新聞寄稿 〜下野新聞に寄稿している「県香港駐在員リポート」を転載しています。〜


02 深刻な雇用状況
―就職フェアに双失青年―

 日本を上回る7.4%(2002年七79月期)という失業率の香港では、雇用の状況は一層深刻である。陸続きの中国本土への生産拠点の移転が日本以上に進んでいることに加え、本土からの移住者の大半が思うように職に就けないことも理由の一つである。
 そうした香港で最近話題になるのは、「進学も就職もできない若者」という意味の「双失青年」(ションサッチュンニン)である。香港政府などが今月6日に開催した就職フェアには、開場前から1,000人以上もの「双失青年」が列をなしたという。こうした状況は、中野嘉子香港大学助教授が、「ここ1,2年は本当に厳しい」と語るように、香港一の有名大学である香港大学生でさえも例外でないようだ。
 前香港駐在員の福田主任(現商工振興課勤務)の仲介により、今年10月の約1カ月間、栃木県庁で男女共同参画行政の研修を終了し帰国したばかりの香港大学院生、何文儀さんも、「将来は香港の公務員として働きたいと思っていますが、競争率は非常に高いです。民間企業への就職を目指している友人も、決して香港大学というブランドは通用しないと必死です」と語っている。
 このように深刻な就職難に対して香港政府は、「青少年見習就業計画」の参加者を募集した。この計画は、職歴のない15歳から24歳までの若者に職場での基本的マナーを指導した上で、6カ月から1年間、見習社員として企業に配属、または引き続き職業訓練を受けさせ、見習社員には4,000香港j(約6万円)以上の月給が支払われるほか、職業訓練生に対しても最高4,000香港jが支払われるという内容のものである。政府はこの計画により、2年間で約1万人の若者に就業機会を提供できると自信をのぞかせている。
 一方、香港の6大経済団体も、大学新卒者の見習採用を促す、「一企業一雇用」スキームへの参加を呼びかけている。このスキームの実施によっても、最低月給6,000香港ドル(約9万円)で新卒者2万人の雇用が見込まれるという。
 しかし、こうした計画の実施に当たっては、企業が見習採用をする代わりに、現在雇用している社員をリストラしたり、新卒の正社員採用を見送ったりするのではないか、という懸念も出てきている。
 こうした政府の取り組みはいずれにせよ、気になるのは香港青年の胸中である。香港の政党、民主建港連盟が行った調査によると、「進学も就職もできないのはだれの責任だと思うか」という質問に対し、実に半分以上の若者が、「政府」または「社会」と答えたという。しかし現在の困難な状況に立ち向かうためには、まず何よりも、一人ひとりの若者が明確な目的意識を持ち、一定水準の学力や専門能力を身に付けなくてはならないはずである。
 香港政府のとる雇用政策が、日本にとっての「モデルケース」となるのか、それとも「反面教師」となってしまうのか、引き続き注目していきたい。

 


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